当医院で「BCGワクチン」を実施していない理由について
お子様の予防接種で当院をご利用いただき、ありがとうございます。
よくお母様方から「何故こちらではBCGをやっていないのですか?」とお尋ねいただくことがあります。
当院でBCGを実施していない理由について、お話しさせて下さい。
日本は2021年に、人口10万人あたりの罹患率が10人を下回り「結核低まん延国」の仲間入りを果たしました。
WHO(世界保健機関)は、5歳以下の重症結核が「人口1000万人あたり1人以下(日本なら年間12人以下)」を全員接種をやめる目安としています。実際の国内データを見ても、重症例(髄膜炎や粟粒結核)は年間数人程度(2023年:3人、2024年:1人)と非常に少なく、すでに全員接種を卒業できる水準に達し、対象者を選んだ接種へと軌道修正する時期に来たと思います。さらに、結核の多い国からの入国者への事前検査も導入され、リスクはさらに下がっています。
BCGの効果は5〜10年程度と言われ、成人の結核予防には効果がないとされています。
一方で、0歳児の結核罹患率(10万人あたり1.1人)に対し、
BCG接種によって起こる主な「重症〜要治療」の副反応頻度は
骨炎・骨髄炎が(手術や長期の抗結核薬治療が必要):10万人あたり約 2〜3人(約3万〜5万人に1人)だそうです。
つまり現在では、「結核にかかるリスク」よりも「ワクチンの副反応にあたるリスク」のほうが約3倍高いという状況になっています。
それで国は止める方向で動いているようですが制度を変更するには数年以上の準備や検証が必要なため全員接種はしばらく続く見込みです。
必要性の低下したいま、私自身がいらないかもと思いながらBCGワクチンを接種することはやはり心苦しくて、もう何年も前からやめています。
もちろん、国としても勧めておりますし、ご家庭のお考えやご事情でやっぱり「接種を受けたい」と思われることも当然と思います。その時は申し訳ありませんが他院での接種をお願いしております。
そしてもちろんこれまでのBCGの実績功績や効果を否定しているものではありません。
高まん延国出身者 それらの国から長期滞在し帰国してきた家族 患者さんと出会うかも知れない病院や施設の方々 結核の患者さんが多い地区に住む方々の赤ちゃんは接種対象になるだろうし接種したほうが良いかも知れません。
